蒼穹の誘惑
みずきはマンションに戻るなり、力が抜けたようにソファに突っ伏した。

全てがもうどうでもよく感じた。父の会社、新しい提携、浅野との関係……そして高宮の意味不可解な行動。

高宮のことを考えれば悲しみと怒りが同時にこみ上げてきた。

あんな男に少しでも心を許してしまった自分が情けない。

それなのに、拭い去っても嫌というほど高宮が頭の中を占めてしまう。

「バカバカしい……」

みずきは冷蔵庫から無造作にバーボンウィスキーのボトルを一本取り出すと、それを空ける。そのままグラスも使わずボトルごと一気に喉に流し込んだ。

アルコールの強さに喉が焼け付くようにキリキリと痛む

手にしたボトルのラベルを見れば、そればアルコール度数が42%もあるワイルドターキーだったことに気付く。

このまま酔いつぶれて何もかも忘れてしまいたい、と更にボトルに口つけた。



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