蒼穹の誘惑
「あなたが副社長側についているとは思いもしなかったわ」

「ふっ……何のことでしょう?」

「言っている意味、分かっているはずよ?」

高宮が副社長と繋がっている証拠などない。ましてや、繋がっていたとして何ら問題はない。

「社長秘書として各役員の動向を熟知するのは当たり前だと思いますが?」

目の前の男は、悪びれた様子も見せず、さも当たり前のことだ、と言う。

「そうね、それが社の利益に繋がるのなら----」

「勿論です」

高宮はみずきの言葉にかぶせるように答える。

「言ったはずですよ?会社の為だと」

「では、私の情報を流していることも?」

ブラッフだった。

昨夜副社長はそこまでは言っていなかったが、高宮と副社長が繋がっていることは確実。

浅野との関係について情報を漏らしているのも高宮に違いなかった。



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