蒼穹の誘惑
「私に譲渡して下さった7%を差し引いて今表向き上あなたの株は9%です。しかし、実質2%は奥様の名義となっている。その2%を譲っていただきたいのです」
「何をバカなことを……そんなことしたら私が第六条を行使するどころか逆に落とされる」
「しかし、社長がそれに気付くのに時間はかかりませんよ?私とあなたが繋がっていると分かった時点であの方は徹底抗戦に出るでしょう。もし、今あなたの株保有率が9%でなく7%だとわかるとどうなると思いですか?」
高宮は、獲物を追いつめるように言葉を続ける。
「早急に動く必要があります」
「し、しかし、他の役員が黙っていまい」
「あの方を甘く見てはいけません。先代が、あなたの兄上が是非後継者にと求められた方です」
「その2%でどうしようと?」
脂ぎった顔につたう汗をハンカチで拭いながら、副社長は尋ねる。
最早立場が逆転している。
「何をバカなことを……そんなことしたら私が第六条を行使するどころか逆に落とされる」
「しかし、社長がそれに気付くのに時間はかかりませんよ?私とあなたが繋がっていると分かった時点であの方は徹底抗戦に出るでしょう。もし、今あなたの株保有率が9%でなく7%だとわかるとどうなると思いですか?」
高宮は、獲物を追いつめるように言葉を続ける。
「早急に動く必要があります」
「し、しかし、他の役員が黙っていまい」
「あの方を甘く見てはいけません。先代が、あなたの兄上が是非後継者にと求められた方です」
「その2%でどうしようと?」
脂ぎった顔につたう汗をハンカチで拭いながら、副社長は尋ねる。
最早立場が逆転している。