蒼穹の誘惑
「あなたは、私を憎んでいるの?」

ふと、過った考えを口にしてまったが、聞いた後でその答えを聞くことが恐ろしくなった。

もし、彼が頷いたとして-----

「おめでたい人だ。そういうことではありません」

否定され、ホッ安堵するも、ますます理由が分からなくなる。

「じゃぁ、どうして?父に恩があるって言ったのはやっぱり嘘ね?」

「ふっ……先代に?あなたは何も知らない」

「-----どういうこと?」

「あなたは私があなたを憎んでいるかと聞いた。ある意味それはイエスですね。あなたの父上をね」

「父を-----?」

「知らない方があなたの為です」

「今更何よ……最後に良心の呵責?」

高宮は薄く笑い、口を閉ざす。みずきは、彼がこれ以上何も言わないであろうと悟った。



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