蒼穹の誘惑
「そんなかわいい顔していると、また苛めちゃうわよ?私、浅野君のその顔に弱いのよ」

「だ、だから、かわいいって言わないでください」

「あら、綺麗の方がよかった?」

「い、いえ……」

思わず、二人は目を見合わせて笑った。

「ありがとうござします」

すっきりした顔で浅野は微笑む。

「何に対してのお礼?」

「あなたの全てに」

「あら、すてきね」

「みずきさん、あなたに会えてよかった。僕の気持ちは全く変わりません。短い間でと笑われるかもしれませんが、がどうしてもあなたが欲しかった」

「ふふ、素敵な愛の告白ね」

「もう、茶化さないでください。最後の最後で一所懸命くどいているんです」

「私も浅野君は好きよ。その綺麗な顔も、頭の良いところも、そしてその純粋なところも……」

「でも、あなたは別の男(ヒト)を愛している-----」

浅野はみずきの言葉を遮るようにかぶせる。

彼女から、最後に拒絶の言葉などいらない。ただ、自分の想いを知って欲しい、それだけだった。



< 264 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop