蒼穹の誘惑
栄次郎は、丈一郎亡き後、すぐに採算の合わない家電部門を台湾企業に売却する計画を打ち出す。その点においては、みずきも同意した。

だが、ソフト開発部門に関しては、彼女は半導体部門以上に力を入れ、新事業を打ち立てようと動き出した。

その時点で、二人の意見は相容れず、みずきと栄次郎の確執は日々ひどくなる。

二人の対立が悪化すればするほど、高宮が栄次郎を意のままに操るのは簡単だった。

みずきが進めるソフト開発事業に、浅野のJネットソルーションを推薦したのは高宮だった。

勿論、父親がインターステイトグループの篠田だということも調べ上げていた。

当初、高宮は、ソフト開発部門を完全に切り離し、篠田のインターステイトグループの傘下に売却する案を栄次郎に進める。

半導体部門の再生に力を注ぎたい栄次郎としては、願ってもない話である。また、みずきに新事業で成功を収めてもらっては、立つ瀬がない。



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