蒼穹の誘惑
眼鏡の男を後部座席に乗せ、高宮の車は元来た山道を進む。
後ろで微動だにせず、背筋を真っ直ぐ伸ばして座る眼鏡の男の視線を感じながら、ぎゅっとハンドルを握った。
世間話で和もうとなど思わないが、これからずっとこの調子なのかと思うとうんざりする。
いい加減大人しくしているのにも飽きてきた。
もうそろそろ反撃に出てもよいだろうか、と頭の中にいくつかのシナリオを描く。
高宮の空気が変わったことに気付いた男は、片眉をピクリと上げた。
「何か?」
感の良い男だ。
「いえ、車の調子がどこかおかしいような気がしまして」
「下手なことは考えないように。そのまま走ってください」
「法定速度を遥かに超えたスピードで山道を走ったせいで、タイヤを傷つけたのかもしれません。まぁ走れないことはないでしょう」
確かに、車体のバランスが悪いように思える。
だが、高宮は気に留める様子もなく、スピードを加速させた。
更に監視の厳しくなった男の視線を背後に受け、変わらず薄暗い山道を走り続けた。
後ろで微動だにせず、背筋を真っ直ぐ伸ばして座る眼鏡の男の視線を感じながら、ぎゅっとハンドルを握った。
世間話で和もうとなど思わないが、これからずっとこの調子なのかと思うとうんざりする。
いい加減大人しくしているのにも飽きてきた。
もうそろそろ反撃に出てもよいだろうか、と頭の中にいくつかのシナリオを描く。
高宮の空気が変わったことに気付いた男は、片眉をピクリと上げた。
「何か?」
感の良い男だ。
「いえ、車の調子がどこかおかしいような気がしまして」
「下手なことは考えないように。そのまま走ってください」
「法定速度を遥かに超えたスピードで山道を走ったせいで、タイヤを傷つけたのかもしれません。まぁ走れないことはないでしょう」
確かに、車体のバランスが悪いように思える。
だが、高宮は気に留める様子もなく、スピードを加速させた。
更に監視の厳しくなった男の視線を背後に受け、変わらず薄暗い山道を走り続けた。