蒼穹の誘惑
「あぁ、浅野氏の個人的な携帯番号とメールアドレスは頂いてきましたよ?会社の番号しか知らないでしょう?」

目線はタブレットに落としたまま、胸ポケットから取り出した小さな二つ折りの紙を渡す。

「そんなこと考えていたんじゃないわよっ」

「クス……そうなんですか?てっきり……」


(あぁ、ムカつくっ!でも……浅野君のプライベートナンバーはゲットしたのね。流石有能秘書だわ)

「ふふ……」

「社長?思い出し笑いは車の中だけにしてください。もうすぐ社に着きますので」

「……っさいわね!わかっているわよ!」

「あとニヤけるのもやめてください。気持ち悪いですから」

「あなたって本当にイヤな性格……」

「自覚しています。着きました。切り替えてください」

高宮はタブレットPCをブリーフケースにしまうと、さっさと車を降りていく。


(この冷血サイボーグ!根性悪っ!変態!)


みずきは車の中で考え付く限りの言葉で思いっきり彼を罵倒した。


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