蒼穹の誘惑
どうしたのだろうか、高宮が優しい。もしかして、これから2時間程仕事をしろ、と言うのだろうか。

「あ、ありがと……胃薬はいいわ」

「楽しそうにして見えましたが、余程疲れた様ですね?」

「えっ……?あぁ、浅野君と?」

「浅野君、ね……?」

高宮は意味深な視線を落とし、みずきの傍に座る。

「ソフト開発の提携がまとまらない限りは進まないから。何としても契約に持ち込まないと……」

「フッ……大丈夫ですよ。彼は既にあなたの魅力の虜です。あなたの色気で彼を魅了することが出来ればと算段はしていましたが、こんなに簡単にいくとは思いませんでした」

高宮の指がみずきの髪をすくう。

「どういう、こと?」

「先ほど浅野氏から正式に契約の確認のメールが入ってきました」

「本当に?」

「確信はしていたでしょう?」

「100パーセントではないわ。そう、よかったわ」

「彼を焦らしたかいがありましたね?」

焦らす?高宮は何のことを言っているのだろう?


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