蒼穹の誘惑
「どんなにあなたが頑張ってみせても、結局あなたに対する世間の評価は変わりませんよ。その類まれな外見でしか評価されない。浅野氏もしかりです」

「そんなのわかっているわよっ……」

わざわざ現実をつきつけることなどしなくても十分わかっている。言葉に表されてしまえば、自分の価値を傷つけられた様で無償に腹が立ってくる。

「来週、浅野氏と食事の予定を入れておきました。思う存分誘惑してきてください」

つまり、この有能秘書は、今度は彼と寝ろと言っているのだ。

「あなたに指図される覚えはありません。自分で連絡取ってデートの約束ぐらいするわっ!」

みずきは慄然とした顔で高宮を睨みソファーから立ち上がった。

「仕事、しなきゃいけないのよね?楽な服装に着替えてくるわ……」

みずきはクローゼットからラフなアンサンブルスーツを手に取り、社長室に隣接してある彼女専用の化粧室へと入っていった。


< 47 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop