蒼穹の誘惑
この容姿が使えるならいくらでも使う。容姿すら使い物にならない女より自分は格段価値があると自負している。

彼女は『親の七光り』『外見だけが取り得の女』そう呼ばれることにも慣れていたし、それを利用する強さも持っていた。

ただ、高宮に面と向かって指摘されると、無性に腹が立って仕方がないのだ。

彼はみずきの美しさを前にして、それに何の価値も見出さない男だ。いや、ビジネスに利用できる、とは言ってくれている。

「何でこんなにムカつくのよ……」

「それは、俺のことですか?」

背後から低い声が降ってきた。鏡にはいつの間にかみずきの背後に立つ高宮の姿が映っていた。


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