蒼穹の誘惑
本来の彼女は高層ビルの最上階よりも陽当たりの良いカフェ、ブランド物のスーツと9㎝ヒールよりもデニムとサンダルの方が気が楽になった。

これはみずきが誰にも見せたことのない姿----

ちょっと疲れ気味の今日は、何もしたくない。

読書すらも億劫で、深ぶかとソファーに身を沈める。

この広めの一人用ソファーもみずきのお気に入りの一つだ。

「はぁ、こんなゆったりとした時間久しぶりだわ……」

コーヒーを啜りながらボソッと漏れる本音。

目を閉じれば、疲れから睡魔に襲われそうになる。



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