蒼穹の誘惑
「ハァ、ハァ、ハァ…も、ダメ!酸欠」

足がもつれて膝をついた瞬間、みずきは芝生の上に寝転ぶ。

何て気持ちがいいのだろう、胸いっぱいに酸素を吸い込み空を見上げた。

雲ひとつない五月晴れ----

久しくこんな風に空を見上げることなんてなかった。

「まぁまぁだな?結構やるじゃん!俺からボール取るなんて、すげぇじゃん?」

みずきの横に達也も寝転ぶ。そして二人は顔を見合わせて笑った。

達也はみずきの子供といってもおかしくない年齢だ。

子供と持つなど考えたことのないみずきは、息子というより、弟がいたらこんな感じだったのだろうか、と達也との会話を楽しんだ。

クスクス笑いあっていると、二人の上に大きな影が落ちてくる。

と、同時に頬にヒヤリと冷たい感触があたった。


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