蒼穹の誘惑
「おい、みずき、腹へんない?何か食べに行こう!」

急に思い立ったように達也が立ち上がり、みずきに手を差し出す。

「もう、いきなり何?もう少ししたら夕飯の時間でしょ?」

その手を握り、みずきも立ち上がる。

何だか、その小さな温かい手がくすぐったい。やっぱり弟がいたら良かったと思う。

「達也そろそろ帰る時間だ」

高宮の咎めるような声が降ってくる。

「じゃぁ、みずきも来いよ?」

「……え?」

「俺の友達だろ?蒼冴の作るご飯すごく美味いんだ。一生に食べようよ?」

「でも……」

みずきはチラッと高宮を見た。

----できれば断って欲しい。

今日は思いのほか楽しかったが、自分のペースが乱されっぱなしだ。

それに、子供相手とはいえ、素の自分を見せすぎた。

これ以上は他人に近づくのは危険だ、と脳裏で警戒音が鳴る。




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