蒼穹の誘惑
「まだ7歳だっけ?一年生?」

「そうですね。今年の春一年生になったばかりです」

「お姉さんいくつなの?」

「30です。若いうちに結婚し、今は達也から少し手が離れてこんな風に俺に預けて自由を満喫していますよ」

「ふ~ん。23で出産かぁ。考えられないわ……」

「そうですか?そんな女性はいっぱいいますよ」

「私には考えられないだけよ。どちらかと言うと、弟に近い感じだわ」

「弟、ですか……?」

「ええ、うちの両親は不仲で家にいなかったから、弟も妹も期待できなかたけど……」

「そうですか」

高宮の瞳が微かに揺れる。

「別に気にしてないわよ。一人っ子だったから我儘言い放題よ。それに、23の頃ってハーバードスクエアで飲み明かしていたわ」

「あぁ、あそこはあなた好みのバーがたくさんありますよね?」

高宮が思い出したように笑う。

良く考えると、こんな風に高宮とプライベートのことを話すのは初めてだ。

環境が違うせいだろうか、何故か会話が進んでしまう。


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