蜜色チェーン―キミと一緒に―
「いいの? さっきの女の人……」
あの後、近づいて拓海くんに触れようとした私を、女の人が『あんた、何?』って止めた。
自然と伸びていた手に気づいて、ハっとしてすぐに謝って背中を向けたけど……。
拓海くんに、『待ってて』って止められて。
それから女の人と少し会話をした後、拓海くんは一緒にいた女の人をひとりで帰した。
女の人は納得いかなそうに私を睨んでたけど、拓海くんはそれをまったく気にせずに私の肩を抱いて歩き出して。
着いたのは、私の部屋だった。
「ああ。ごめんな、睨まれただろ」
「そんなのはいいけど……」
入れた紅茶をテーブルに置いてから、拓海くんが座るソファーの隣に座った。
そのまましばらくふたりして黙っていたあと、拓海くんが静かに話し出した。