蜜色チェーン―キミと一緒に―


「すごい違いだよな。半分は同じ血が流れてるハズなのに。
あいつは、両親に愛されて育ったみたいだし」
「拓海くん……」
「まぁ、今のところ社長は俺にもよくはしてくれてるけど。
21の時に初めて会いに来た時から今まで、俺の要求はほとんど聞いてくれるし。
どこまでやるかって試したくて適当に言っただけなのに、自分の会社にも入社させるし、俺の部屋も用意するし」


「まぁ、そんな事、金でどうにでもできる事だけど」って、拓海くんが軽く笑う。


「社長に隠し子がいいるなんて聞こえが悪いから、それを気にして俺に気をかけただけだろうけど。
俺を満足させとけば、自分や会社にとって不利な事はしないって思ってるんだろうな、多分」


拓海くんのお父さんは、拓海くんに聞く限り、確かによくしてくれてると思う。
でも、そのすべてがお金でどうにかできる事っていうのも、事実で。




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