蜜色チェーン―キミと一緒に―
「言っておくけど、ちょっと噂になったからっていい気になんないでよね。
勘違いして沖田さんに近づくとかやめてね?
あんたみたいのに寄り付かれたら、沖田さんが迷惑するから」
「そうそう。あんたはその辺の高校生とでも付き合ってれば? きっとお似合いだと思うけど」
「……あの、そういう話でしたら、歩きながら聞きますから、よければ一緒に受付まで……」
「行くわけないでしょ?! ほんっとにムカつく!
絶対どかないから」
話を聞いている限り、先輩たちにはどうやら急ぎの仕事はないみたいだし、どいてくれる気もないみたいだし……どうしよう。
目の前で出入り口を塞ぐように立っている先輩をじっと見つめながら、打開策を考えていた時。
先輩たちの後ろに、ひとりの男の人が立った。
濃いグレイのスーツを着たその人が拓海くんだって、見上げてすぐに気づく。