蜜色チェーン―キミと一緒に―
「いいよ。本当に気にしてないし。童顔なのも分かってるし。
それに、拓海くんに言われても信じられないもん」
「なんで? 俺、前から由香の事可愛いって言ってるのに」
「それは、妹として、とかそういう可愛いでしょ。
拓海くんに可愛いって言われても、子どもっぽいって言われてるみたいに感じる」
「昔は確かにそう思ってたけど……」
不貞腐れて俯いていたけど、拓海くんが変に間を空けたりするから、チラって見上げてみる。
すると、それを待ってたみたいに微笑んだ拓海くんが、私の頬に手を伸ばした。
楕円形のテーブルを前、隣に座っていた私にぐっと近づいておでこをくっつける。
ふわって香る拓海くんの匂いが、胸を心地よく跳ねさせた。
「今は、そういう意味じゃない」
「……じゃあ、どういう意味?」
「思わず抱きたくなるくらい、可愛い」
「……嘘ばっかり」
「本当だよ。由香はもう何度も身を持って知ってると思ってた」
「そんなの、知らな……」