蜜色チェーン―キミと一緒に―


言い終わる前に、拓海くんの唇が声を塞ぐ。
紅茶の香りがする優しいキスに、目をつぶって応えた。

咥内を撫でる拓海くんの舌に、鼓動が速まる。
何十回、何百回って繰り返しても、私はこのキスに慣れる事はないと思う。


「ん……」


優しくて甘くて、どこまでも夢中にさせる蜜みたいなキス。
そして……いつも少しだけ切なさの残るキス。


「ふ、ぅ……ん…」


たっぷりと時間をかけてキスを続ける拓海くんに、ゆっくりと押し倒される。
背中に床を感じて目を開けると、拓海くんに妖美に微笑まれた。


「由香は可愛いよ」
「……本当に?」
「うん。誰よりも可愛い」


拓海くんの手が、服の下に潜り込んで身体のラインを辿るように撫でられる。
お腹からじょじょに上がってくる手に、自然と身体がすくんだ。



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