蜜色チェーン―キミと一緒に―

「先週、受付の野原が廊下で胸を揉まれてたって聞いたけど、本当？」
「……え、拓海くん？」


恐る恐る振り返ると、そこにいたのは確かに拓海くんで。
じっと顔を見つめてから、はーって息をついた。


「やめてよ、びっくりしたでしょ」
「変な噂を聞いたからつい。誰に揉まれたの？」
「愛美。……っていうか、そんな噂流れてるの？
それ、確認するためにわざわざ？」


誰がおもしろがって流すんだか知らないけど、本当に迷惑だ。
しかも、そんな噂流したところで、誰もおもしろくないと思うのに。

胸揉まれてたらしい、なんて一体どんな噂だろう。

呆れていると、拓海くんがふって笑う。