蜜色チェーン―キミと一緒に―


……きっと、そうだ。
後ろの人が私を付けてきているように感じるのも、私の神経が過敏になってるせいに決まってる。

後ろを誰かが歩いてる事は、さっき気づいたばかりだけど……。
速度が違うせいで、もう少しで追いつかれそう。

でででも、別につけられてるわけじゃないし、追い抜かれればいいだけの話だし。
ここで走ったっておかしいし。

そう思うのに……。
愛美が、制服マニアがどうのとか言ったせいで、ドクドクドクドク、心臓が嫌な鼓動ばかりを作り出して、足が震える。

でも私、着替えたから私服だし、制服じゃないから大丈夫だよね……?


暗い道に響く、ふたつの足音。
結局我慢できなくて歩く速度を上げたのに、その間隔がどんどん近づいてきてるのは、気のせいだよね。
それ以前に、不審者の足音だって決まったわけじゃない。

けど、すぐ近くまできて迫ってきた足音に恐怖が限界に達して、もう走り出そうとした時。
ポンって肩を叩かれた。








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