蜜色チェーン―キミと一緒に―
「生ぬるい……?!」
「ちなみに一番痛かったのって何?」
「渾身の球をバッターに打たれて、その打球がすねに直撃した時。
あれは、ふたつの意味で痛かったー。
まぁ、すかした顔してる沖田さんはスポーツなんかやった事ないだろうからわかんねーだろうけど」
「確かにひとつのスポーツにそこまで熱中した事はないな。
でも、ピッチャーでもフィールディングは大事だって事ぐらいなら分かるよ。
投げ終わった後は野手のひとりなんだから、ちゃんと守らないと」
「な……っ、んなの分かってるよっ!
部外者が簡単に言うな!」
どんどん熱くなっていく勇樹にため息をついて、コンロの火を止めた。
「はい、そこまでにして。ご飯できたから」
私の言葉に、勇樹は「ちっ」って大きな舌打ちをして、拓海くんは「残念」って余裕に微笑んで立ち上がる。
そして私の隣まで来ると、お鍋の中のカレーを覗き込んだ。