蜜色チェーン―キミと一緒に―


「ふーん。でも、課とか違えばする仕事って違うんじゃねーの?」
「よく知ってるね」
「俺もう二十歳だし。そろそろ就職も考え出してるし、それくらい普通だろ」
「確かに課が違うと、業務内容も必要とされる資格も変わってくる。
けど、共通する部分もあるから、そこを教えてただけだよ」


すらすらと説明する拓海くんを見て感心する。
私なんか何も言えずに黙ってる事しかできなかったのに……。

口がうまいっていうと、嫌な聞こえ方しちゃうかもしれないけど、嘘も方便だ。

勇樹もすっかり騙されたみたいで、「ふーん」とだけ頷いて、それ以上聞こうとはしなかった。
それに安心した私に、拓海くんがアイコンタクトする。
心配しなくても大丈夫だからって、優しい瞳で。


そして「じゃあ、食べようか」って微笑んだ。




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