蜜色チェーン―キミと一緒に―
勇樹は黙っているだけだった。
ただ顔をしかめて黙る勇樹に、拓海くんが軽くため息をつく。
「由香に言いたい事があってきたんだろ? 俺の事は気にしないで言っていいよ」
言いたい事?
今まで言いたい事はすぐに言い合ってきただけに、こんな風に改まって話す事なんてなかった。
わざわざ訪ねてきてまで話したい事ってなんだろう……。
黙ったままの勇樹に、部屋に緊張が走る。
チ、チ、チって時計の秒針の音がやけに大きく聞こえていた。
「……勇樹?」
声をかえると、俯いていた勇樹がようやく顔を上げる。
そして、顔をしかめたまま私を見た。
「沖田さんと、距離を開けた方がいいと思う」
「え……?」