蜜色チェーン―キミと一緒に―
「こういう話の時、引け腰になったら負けるよ。
いくら同情するような事言われても、平然としてないと」
そう注意した拓海くんが、勇樹に聞く。
「で、社長の息子だから由香から離れろって事?」
勇樹が顔をしかめたまま頷く。
「そうだ。姉ちゃんは社長だとかそんな世界ではうまく生きていけない。
ずる賢くなれないヤツだから、疲れるだけだ。
それに、色んな事情もあるみたいだし」
「そうだね。父親にも捨てられて母親にも見捨てられた男なんかとじゃ、由香は釣り合わない」
「拓海くん……っ」
怒って呼んだ私に、拓海くんはわずかに微笑んで軽く片手を上げる。
黙っててって事なのは分かったけど……。
やりきれない気持ちでいっぱいだった。