蜜色チェーン―キミと一緒に―
『そういえば、この間初めて父親に会ったんだ』
拓海くんのとった部屋は六階だった。
オレンジ色のダウンライトが照らす部屋はとても柔らかい雰囲気で、ベージュ色の厚手のカーテンを開けると、空から落ちる雪が見えた。
『え……本当のお父さんって事?』
『そう』
拓海くんは、一階にあった自販機で買ったミルクティーを差し出しながら頷く。
それから、ベッドに座った。
渡された缶が、冷え切っていた手を温める。
『近所で待ち伏せされて、急に父親だって言われて。
俺、ガキの頃から父親の事何も聞かされてこなかったから、それが本当に父親なのかも分からなかったけど。
とりあえず、話があるっていうから、近くの喫茶店で話した』
『どんな人だったの……?』
『GY銀行って知ってる? そこの次期社長だって』
『え……っ』