蜜色チェーン―キミと一緒に―
でも、別れるっていうのは、長い待ち時間にケンカになりやすいってだけだと思うし、ガラスの靴を買えばって話だって商売の匂いがする。
誰が言い始めたかも分からない、ただのジンクスだ。
しかも、拓海くんと私は恋人同士じゃないし。
……そう思うのに。
ケースの中に置いてあるガラスの靴から目が離せなくて。
そんな私に気づいた拓海くんが、私の視線を追いながら聞く。
「欲しいモノでもあった? プレゼントするよ」
「え、いいよ。チケット代だって出してもらったし、自分で買うから」
「自分で買うほど欲しいモノがあったの? どれ?」
聞かれて、少し恥ずかしくなりながらも、ガラスの靴を指さす。
透明なガラスの靴に、青い宝石がひとつだけついてるデザイン。
もちろん、偽物のだけど。