蜜色チェーン―キミと一緒に―
「拓海くん?」
「ほら、夜のパレードが始まる」
「え、でも……」
「あれはガラスだし、帰るまでに割れたりすると困るから」
「ごめんね」って困り顔で微笑まれて。
そんな拓海くんに、何も言えなくなった。
小さなモノだし、買えば割れないような梱包をしてくれるだろうし、鞄に入れておけば割れるなんて事はまずないと思う。
買う人だってたくさんいるハズだし。
そう思ったけど……。
ごめんねって言われたら、なんでだか何も言っちゃいけない気持ちになった。
もしかしたら……拓海くんも同じジンクスを知ってたのかな。
知っていた上で、買うのをやめたの……?
必ずしもそうだとは限らないし、別の意味があるのかもしれないけど……。
“拓海くんが離れていっちゃう”
先週感じたそんな予感が、胸をかすめた。