蜜色チェーン―キミと一緒に―


「どうぞ」


これじゃあ、本当にどっかの外国みたいだ。
まるでエスコートするみたいに手まで差し出すから、恥ずかしくなりながら、拓海くんの手をとって車を降りた。

ドキドキしながら自動ドアを抜けて、まずロビーの雰囲気に圧倒される。
照明も天井も階段、置いてある家具まで、全部が夢の国色に彩られていた。

私がただただ感動して周りを見渡している間に、拓海くんが受付を済ませてくれて。
係りの人に案内されるまま、部屋に入った。


落ち着いたブルーとベージュ色の絨毯の部屋には、同系色のダブルベッドが置いてあった。
二脚置いてある椅子も、ブルーとベージュのアーガイル柄。

よく見ると、絨毯の柄の中には、夢の国にいるキャラクターの形を象ったものもあった。

バスルームに置いてあるアメニティーも可愛いし、置いてあるもの飾ってあるもの全部が可愛くて、なかなか興奮が収まらない。

しばらく部屋の探索をしてから、拓海くんの視線に気づいた。



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