蜜色チェーン―キミと一緒に―


初めて言葉にする気持ちだった。

ずっと傍にいたのに、一度も言葉にできずにいた気持ち。
拓海くんが逃げて行っちゃう気がして言えなかった。
うっとうしく思われて、嫌われちゃうんじゃないかって怖かった。

好きだとか、そういう感情を、拓海くんがどこかで軽蔑しているのを分かってたから。

ずっと、拓海くんが大切にしてきたお母さん。
そのお母さんは、母親としての幸せよりも、女としての幸せをとった。

恋愛感情のせいで、拓海くんはお母さんに裏切られた。


だから、私が好きだなんて言ったら、お母さんの事を思い出させる気がして怖かった。
でも……拓海くんの弱さを怖がるよりも、拓海くんの強さを信じるって決めたから。


もう、迷わないって決めたから。





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