蜜色チェーン―キミと一緒に―
私が近づくのを見つめながら動かずにいる拓海くんを、見つめ返しながら歩く。
そして目の前まで行ってから、拓海くんのYシャツの袖をきゅって握った。
服が、冷たく濡れていた。
「もう……傷つくのは、終わりにしよ……。
拓海くん」
じっと見上げながら言う。
「もういいから……。
お母さんとお父さんの事、許せないならそれでいいよ。
もう、こだわるのはやめよう……」
拓海くんは、黙って私を見ていた。
その瞳は傷ついてるみたいに見えて、瞬間的に何か言うのをためらう。
けど。
もう逃げないって、怖がらないって、決めたから。
ぎゅっと拓海くんのシャツを握る手に力を込めた。
「自分を、過去から解放してあげて……。
私が、ずっとそばにいるから。
これからを一緒に生きよう……。
拓海くんが、好きなの―――」