蜜色チェーン―キミと一緒に―



私と拓海くんの出会いは、私が13歳の時だった。

親が頼んだ家庭教師としてうちに来たのが、19歳の拓海くんで。

大学生の拓海くんは、明るい茶色の髪で顔も整っていたから、いかにもイケメン!って感じで、最初の頃は緊張して話もろくにできなかった。

完璧に見える拓海くんに対して、私はクラスでも目立たない存在だったし、至って普通だったから。
ギャップみたいなものを感じちゃって、余計に。

だけど、拓海くんの柔らかい雰囲気と笑顔のおかげで、じょじょに打ち解けていって。
二ヶ月が経った頃にはすっかり懐いて、拓海くんのくる火曜日と金曜日が待ち遠しくて仕方ないほどだった。


いつも明るくて柔らかい雰囲気の拓海くんに、何か陰みたいなモノを漠然と感じ始めたのが、13歳の終わり頃だった。




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