蜜色チェーン―キミと一緒に―

中学生活も慣れ始めて、早い子は彼氏なんかができたりして。

カッコいい先輩とか人気のある同級生だとか、周りがキャーキャー騒ぎ出したのを見ているうちに、自分の気持ちに気づいた。

どんなにカッコいいって噂される先輩を見ても、何も思わなくて。
拓海くんの方が１０倍カッコいいのに、なんて思ってハっとしたのが、私の初恋だった。


自分の気持ちに気づいて、ドキドキしながら一緒の時間を過ごしているうちに、拓海くんの陰に気づいた。
ふと見せる、切ない表情に気づいた。

外で拓海くんを見かける事がたまにあったけど、拓海くんは誰といても、いつも心を閉ざしているような瞳をしていた。
友達といても……彼女らしき女の人といても。

よく考えてみれば、私の親と接する時も。