蜜色チェーン―キミと一緒に―
「ところで、二次会どこでやるか聞きました?
店の名前は忘れちゃいましたけど、初めて使う場所らしいっすよ」
「そうなんだ。でも俺行かないから」
そう答えた拓海くんに大きなリアクションをしたのは、石坂さんじゃなかった。
「えー、沖田さん、二次会行かないんですかー?」
拓海くんの左隣に座っていた、第一営業課の女子社員だ。
「ああ。あまり体調もよくないし」
「えー、ショック。沖田さんが行くと思ってたから、私、二次会参加で出しちゃいましたー」
「行ったら行ったで楽しいよ」
「でも、二次会って女子で行く子って半分くらいしかいないからか、セクハラとか多くて困るんですよね。
……沖田さんが相手だったら喜んでされちゃうけど」
声だけでも色目を使っているのが分かって、なんとなく気持ちが落ち込む。