蜜色チェーン―キミと一緒に―
両思い……。
愛美に言われた言葉を頭の中に浮かべて見つめてみる。
しばらくそうしてたけど……我に返ってふって笑みがこぼれた。
「私には、そんな都合よく考えられないよ」
拓海くんは、確かに私を他の人よりも特別に思ってくれているかもしれない。
けどそれは、私を好きだからじゃないと思う。
拓海くんは、恋愛感情を憎んでいるハズだから。
拓海くんから“優しいお母さん”を奪った感情を。
それなのに、私に恋愛感情を抱くなんて……考えにくい。
「第三者の私が意見してるんだから、そうだと思うけど?
由香はもっと自分に都合よく考えてもいいと思うよ。
そんな偶然が重なったって事、私には運命みたいに思えるけどなぁ」