蜜色チェーン―キミと一緒に―


モンブランの上に乗っている栗をフォークで刺しながら言う愛美。
私も、ティーカップの隣に置いてある同じモンブランを見つめる。

“このお店のモンブラン、すっごい有名なんだから!”って愛美が嬉しそうに持ってきてくれたモンブランの上には、転げ落ちそうなくらい大きな栗が乗っていた。


「案外、うじうじ考えないで告白すればうまくいくかもよ」
「それは……できないよ」
「なんで? 恋愛感情をよく思っていない沖田さんを傷つけたり絶望させたくないから?」
「それもあるけど、私の気持ちは、きっと拓海くんだって分かってるハズだもん。
それなのに何も言わないのが、拓海くんの答えなんだよ」


私が拓海くんと以外、身体の関係を持っていない事は拓海くんも気づいてるハズ。
私が、誰彼かまわず関係を持つタイプじゃないって事も。

その上で拓海くんとエッチしてるんだから、気づいていないハズがないんだ。


だから。
私が想ってる事を知りながら何も言わないのが……拓海くんの答えだ。
私の気持ちに応えてくれなり限り、拓海くんは私を、私の気持ちを。
信じていないって事なんだから。



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