蜜色チェーン―キミと一緒に―
目をキラキラさせて聞いてくる愛美は、絶対に自動ドアを見張る事を忘れてるから、代わりに入口を見ながら話す事にした。
「彼氏じゃなかったけど……好きな人と」
「彼氏じゃないって、じゃあなんでそうなったの? 流れ?
でも由香って流れとかでそういう事できるタイプじゃないでしょ?」
「うん。けど、私は好きだから、その人の事。
別に、いい加減な気持ちとかでもなかったし、後悔した事もないよ」
ぽかんと口を開けたまま止まっている愛美に気づいて、首を傾げる。
中二で初体験とか、確かに早いかもしれないけど、言葉を失うほどの事だったかなって疑問に思って。
「そんなに意外?」
聞くと、愛美は開けていた口を閉じて首を横に振る。
「あ、ううん。意外っていうのもそうなんだけど、由香があまりに言い切るから驚いただけ」
「なんで?」