タロット☆マジック【完】
その男は、一瞬目を丸くしてから、微笑んできた。
余裕そうで、ムカツクヤツ。
「あんた、名前は?」
急に、目の前の男が言った。
―― イラッ
「名前を聞くなら、まず自分から名乗れ。」
「タメ口? 高校生の男子相手に、いい度胸してるね。」
いい度胸してるね? 上から目線とか、嫌い。
「占いは何ですか。」
私は、何もかもシカトして、手っ取り早く終わらせようとした。
「……俺は、西条魁斗。」
西条? まさか、蓮斗の……なわけないか。
でも、『かいと』って響き……『れんと』に似てる。
「……蓮斗の、兄弟?」
「そう。俺の弟は、蓮斗。」
そう言って、その魁斗……とか言ったやつが、爽やかにニッコリ笑った。