タロット☆マジック【完】
ふと、凜子が一か所をジーッと見始めた。
俺は、疑問に思ってその見ている方を、見た。
……まさに、地獄絵図。
雪が、蝶を手でつかみ、目を細めている……。
その表情は、蝶を魔法の材料にでもするような……。
思わず、身震いをしてしまう。
「……おい、凜子。雪が……蝶をつかんでるぞ。」
「……お友達になったんだね……。」
ダメだ……。
凜子、雪に呪いでもかけられたか……。
「ダチっつーか……魔法の薬の材料にしそうだぞ?」
「違うよ。雪ちゃんは、魅力のある美人な女の子じゃん。」
「あの、蝶を見ながらの怪しい笑顔を見てもか。」
俺がそう言うと、凜子は頬を膨らませた。
「じゃあ、蓮斗くんはどんな子が良いワケ?」