タロット☆マジック【完】
その言葉に、俺は顔を赤く染めた。
「えっ、そ、それは……――「お前だよ」
遮るように聞こえたその声に、俺は思考停止……固まった。
「初々しいこと悪いけどさー。」
「……ぜ、全然反省してねぇ!」
俺の言葉をシカトして、ライチは言葉をつづけた。
「私たち、もう帰ってよくねぇか?」
ライチのその提案に、「あ、確かに……。」と俺は思う。
凜子はどう思う? と聞こうとした時。
凜子とジョセフィーヌの目が、合うのが見えた。
「……あんた、まさか……森山凜子?」
「えっ? は、ハイ。私は、リンゴ大好き森山凜子だけど……。」
ジョセフィーヌは遠目でジーッと凜子を見る。
ブツブツと「どこが陰で人気」とか「全然人気っぽくない」とか呟いているのが、俺には聞こえた。
「……普通じゃないの」