タロット☆マジック【完】





私が、雪ちゃんに本当に殺されかけた時――……




「邪魔や。」




私の影を、大きな影が覆った。




「ん? あ、ごめん!」




慌てて退いて、その声がした方を見た。




私は、その人物を見て、目を見開いた。




「……渡部冬馬くん、だよねっ!?」




私が笑顔で聞くと、冬馬くんはしかめっ面になった。




…………ありゃ?




不機嫌……?




「あ、用があるんだよ! 冬馬くんに!」




「黙れや。消え失せろ。」




冬馬くんの口から、ポンポンと雪ちゃんが言いそうな言葉が出てくる。




これ言ったら、「バカ凜子!」って言われるだけだろうし、黙っとくけど。




冬馬くんを、よく見てみる。




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