俺が唯一愛した女


『優衣の…』



俺の背後に居たのは優衣の母親だった。



「……。」



ほらな、優衣じゃなかった。



優衣は絶対俺の事を
優斗君とは呼ばない



解ってる事なのに



優衣かもしれないって
何で期待してんだよ俺



『……。』



「娘の手帳…受け取ってくれたんだってね」



気まずい沈黙を
先に破ったのは優衣の母親。



『あ、はい…』



「ごめんなさいね」



『え…』



「あの日の事…ずっとあなたに謝りたかった」



あの日



" 帰って!" そう言って
俺を何度も何度も罵倒し門前払いした事



" 感情的になって本心ではなかった " と
言いながら、優衣の母親は俺に頭を下げた。

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