俺が唯一愛した女


『では失礼します』



俺は


優衣の母親に頭を下げ
真っ直ぐ家方面へ歩く。



辺りはいつの間にか
すっかり暗くなって



雲の隙間から月が見え隠れしている



帰り道
琢磨サンの店に寄ろうか迷った結果



明日から仕事始め言う事もあり
今日は早めに寝る事にした。



昼は丁度良い気温だったのに
夜になると少し肌寒い。



そんな中



人通りの少ない道に差し掛かった瞬間



「優斗」



背後から名前を呼ばれ
俺は歩く足を止め、立ち止まる。



『……。』



今度は誰だよ…
そう思いつつ俺はだるそうに振り返る



「優斗君~一体こんな所で何してんのかなぁ?」



『お前等…』



俺に声をかけて来たのは


優衣を亡くしてから暫くの間
連んでいたグループの奴等。



明確には覚えてないけど
確か15人位は居た。



「優斗~まさか俺等に黙って突然居なくなる様な事してねえよなあ?」

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