俺が唯一愛した女
「医院長室はこっち」
『……。』
琢磨サンの店を出た後
俺は親父の働く病院へ
親父に会いに来ていた
「医院長ってこんなに素敵な息子サンが居たんですね♪名前は何て言うの?」
『優斗です』
「優斗君♪ 学生サン?やっぱり優斗君も医院長…お父サンの後を継がれるのね♪」
『後を継ぐ?いや、俺そういう気は一切ないですし、勝手に決めつけないで下さい』
いつからだろう
俺がここまで
親父の仕事を嫌う様になったのは
夢で見た
何となく身覚えある
ガキの頃の俺自身は
" お父サンみたいになる "
そう言って笑ってたのに
「そ、そうなのね。変な事言ってごめんなさいね…にしても優斗君酷い怪我。腕…包帯してるし…だ、大丈夫なの?」
20代後半位の女は
親父のいる院長室に向かう間ずっと
なんだかんだ俺に質問を続けて来る。