俺が唯一愛した女


死んだと思ってた母親が生きている



親父の話…



" お前は捨てられた "



正直結構ショックだった。



今までは


母親は死んだって割り切ってたから
特別色々考えた事なかったけど



『俺は愛されて産まれて来た訳じゃないって事か…』



自分のマンションに戻って来た俺は
オートロックを解除しエレベーターを待つ。



俺が


生きている意味って
本当にあるのかよ?



1階へ到着した
エレベーターのドアがゆっくりと開く



すげえイライラする…



俺はエレベーターに乗らず


マンションから飛び出して見慣れた景色を
行き先も解らずにただ走り続けた。



『はぁ…はぁ…』



走り続けて



息を切らした俺が立ち止まったのは



優衣と出会った日…



彰人サンが


弾き語りをしながら
歌って居たあの場所。

< 146 / 320 >

この作品をシェア

pagetop