俺が唯一愛した女
『無理して話さなくていいから…』
「えと、あなたの名前…」
『シキ』
「シキサン、ありがとうございます…」
一生懸命俺に話そうとする姿を
見てるのが辛かったから止めた。
『別に』
「シキサンにもお金返さなきゃいけないし、全部使っちゃったから生活していくお金頑張って作らなきゃ… シキサン、あたしの体でもお金になると思う?抱いてくれる男って居るのかな?あたしブスだから…」
『ふざけんな』
「え…」
『何が金になるかな?だよ、んな事して返して貰った金なんて全然嬉しくねえし迷惑だ。生活費だって日給で貰えるちゃんとした仕事があるだろ』
「……。」
『ホストやってる俺が言っても説得力ねえだろうけど』
「シキサン…」
『じゃ、俺店戻るから。仕事中だから送ってやれねえけど…気をつけて帰れよ』
「あ、はい…」
梓と別れた俺は店へ戻り
シンヤサンに頭を下げる。
『ハルサン俺、店抜けて勝手な事しました』
ニヤニヤするシンヤサン
「駄目だって言ってもお前はしてただろ?」
『まあ…』
「俺に謝るより先にお前に会いに来てくれてる姫達にちゃんと謝っとけよ」