俺が唯一愛した女


梓の腕を引き歩き続ける俺



「あの…」



歩くのを辞めて
立ち止まった俺は手を離し振り返る。



「あたし、梓と言います。 えと、ありがとうございます…」



『……。』



梓 (あずさ) の見た目は

ホスクラなんて普段来なさそうな
黒髪で見るからに大人しそうな女



「笑われるかもしれないけど…一目見た時から本気で月が好きだった。最初はあたしに対して凄く優しかった、でも優しくしてくれたのは優しく抱いてくれたのは…お金を積んだからだったんだね」



悲しそうな瞳。



「お金全部蓮につぎ込んじゃって…1円も残ってなくて。本当馬鹿だよね… それでも月に会いたくて、お金持って来たって嘘ついて店に入ったんだ」



こういう時って
俺どうしたらいい?



全てを話してくれる女に
返す言葉が見つからない



「最初はいつもの様に凄く優しかった。優しかったから… 話したの。今日お金持って来てないんだって。そしたら…」



涙ぐみながら
女は俺に一生懸命話そうとする。

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