俺が唯一愛した女


『いや、えっと…』



ふいに出た言葉に苦笑するしかなく
思わず咳払いをする。



「……。」



『あの、ごめ…』



俺の言葉を聞いてくすくす笑う上原



「図書館でも間違えてたでしょ?いいよ、気にしないで!優衣って子が誰かは知らないけど…その子は優斗にとって大切な子だって十分解ったから」



『大切… 何で?』



「目がね、その子の名前を呼ぶ時だけ一瞬凄く優しい目になるから…普段無愛想っぽいのにねー」



『……。』



優しい目か..
そう言われたのは何ヶ月ぶりだろう



「大切な人が居るなんて…本当羨ましいよ」



『上原には居ないの?』



「居たよ。居たけど…あたしは失ってしまったから」



まただ。


女はまた悲しそうな
笑顔を浮かべている



『失った…』



「大切な物って何で失ってからじゃなきゃ解らないんだろう。もっと早く気付いていたら…」



『早く気付いてたら? …失うまで大切だって気付かなかった訳じゃねえだろ?』

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