俺が唯一愛した女


滝の様に降っていた雨も何とか落ち着き
ほっておけず結局また自分の家に…


意識を失った上原を連れて帰った優斗



『友達でもねえただの知り合いなのに、どこまでお人好しなんだ俺は…』



内心そんな事を思いつつ優斗は



段ボールが置いたままの元ミユの部屋の
ミユが使っていたベッドに上原を寝かせる



『薬あったっけ…?』



確かリビングだったかな
不確かな直感を頼りに風邪薬を探し



部屋中の引き出しを
順番に開ける優斗は



何かを思い出して思わず手を止める



『……。』



待てよ、引き出し?



そう言えば






何か大切な物を忘れてる様な..



「あの…」



突然背後から声がして
一瞬焦った俺は慌てて



声がした方を振り返る



「えと… 会って間もないのに凄く迷惑かけちゃったみたいで…」



目が覚めたのか
そう言いながら上原は気まずそうに苦笑する



『優衣、起き上がって大丈…』



" 優衣 "



俺は自分の口から


発せられた名前に驚き
慌てて自分の口を塞ぐ

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